このページのポイント
- 梅雨にダニはどうして増える?
- 梅雨のダニを放置すると大変な事に
- ダニ対策を行う正しい方法
- ダニ退治・駆除の方法
梅雨になると雨が増え、ジメジメと湿度が高まりますよね。そうすると大量発生してしまうのが「ダニ」です。梅雨になると何故ダニは増えるのか、そして梅雨のダニを放置するとどうなるのか、ダニの正しい対策方法から退治に至るまで、梅雨のダニについて紹介します。
※2023年6月8日に関東甲信越も梅雨入りと気象庁が発表しました。梅雨のダニ対策、行っていきましょう!
目次
梅雨にダニはどうして増える?
梅雨になるとダニが増える増えると言いますけど、何故梅雨になるとダニが増えるのでしょうか。それは気温の上昇と湿度の上昇による影響です。
気温と湿度が上昇するとダニにとって非常に快適な環境になります。ダニは身体の8割が水分なので、湿度が高いと元気になってしまうのです。
更に、気温が上昇すると、人も汗をかきますよね。梅雨の時期だとリビングなどで汗をかくことは少ないかもしれませんが、夜眠ている間に寝汗はたくさんかきます。
寝汗をかくと、その汗の水分もダニは好み、人間のフケや埃などを餌にし、どんどん繁殖していってしまうのです。
除湿器などで湿度をコントロールしても、気温の上昇と人間の寝汗は避けられないので、どうしてもダニは増えてしまうのです。
梅雨のダニを放置すると大変な事に
梅雨になるとダニが増えると言っても、放置してれば良いんじゃないの?と思われるかもしれませんが、ダニは放置していると取り返しのつかない事になる事もあります。
ダニはハウスダストのアレルゲンとされており、ダニの死骸や糞などはハウスダストアレルギー、アレルギー性鼻炎の原因になります。
さらに、アレルギー反応が強い人は身体がどんどん痒くなってきてしまい、アトピー性皮膚炎になってしまう事もあります。
一匹一匹は小さいダニですが、梅雨の時期の寝具には数十万匹や数百万匹のダニが生息しているので、こういったアレルギー反応を引き起こしてしまう事があるのです。
更に直接的な被害も
家の中に生息しているダニは数種類いるのですが、アレルギーの原因になるのがチリダニです。このチリダニが増えると、チリダニを捕食するためにツメダニが現れます。
このツメダニは直接人のことを刺してきます。ツメダニに刺されると刺された箇所が腫れあがってしまい、痒みが出ます。更に、そのツメダニに刺された腫れは長いと一ヵ月程度治らず、大変面倒なことになってしまいます。
更にダニは寝室だけでなくリビングや脱衣所、小麦粉の中にも生息しています。このダニが入った小麦粉でパンケーキを作り、食べてしまうと大量のダニの死骸を身体に入れることになり、ダニアレルギーのアナフィラキシーショックを起こし、最悪死に至ってしまうこともあるので、大変怖いのです。
ダニ対策を行う正しい方法
先ずカビやダニを何とかしようとすると、簡単に思い浮かぶのが換気や、掃除機によるこまめな掃除などの対策です。
これらの行為も意味がないとまでは言いませんが、カビはなんとかできてもダニの対策、退治・駆除と考えると、これだけでは到底足りません。
・換気
空気を入れ替えるだけだと、部屋の湿度はコントロール出来ますが、既に発生しているダニに対しては無意味です。
・掃除機
掃除機でいくら吸っても、布団の繊維に潜り込み、爪を使ってしがみ付いているダニを全て吸い込む事は出来ません。先に充電が切れてしまいます。
衣類や布団の天日干しや洗濯は?
・衣類や布団の天日干し
衣類や布団をいくは干してもダニは影の部分に逃げ込むので、全てのダニを退治・駆除するのは不可能です。
※布団叩きで叩いても、死ぬダニもいますが、人間のアレルギーの原因になる死骸は残るので、苦労した割にダニ対策としては弱いです。
・洗濯
布団の洗濯は有効ですが、数十万匹と生息している布団の中のダニは洗濯だけでは退治・駆除しきる事はできず、乾燥機にかけても死骸が残るので、洗濯→乾燥→洗濯→乾燥・・・と何回か繰り返す必要があります。
手間はかかりますが、何回か繰り返せば、他の方法よりも遥かに有効です。
※但し、洗濯機や乾燥機にダニが残ってしまう可能性もあります。
これらのダニ対策でも無意味ではないですが、労力の割に成果が低いので、ダニ対策には本当に悩まれている方が多いです。
ぬいぐるみのダニ対策も同様に難しい
ぬいぐるみは洗濯機で丸洗いもできますが、布団と同様で洗濯だけではダニを完全に退治・駆除する事はできません。また、ぬいぐるみは布団や毛布と違ってなかなか乾燥機にはかけられないですよね・・・その分ダニ対策としては弱いですし、ぬいぐるみはなかなか乾かないので、ぬいぐるみの中にたまった湿気はダニの大好物になってしまいます。
そこで今、労力を掛けずに簡単にダニを退治・駆除する事ができるとして人気なのが、ダニ捕りシート(マット)です。
ダニ捕りシート(マット)とは
今ダニを退治・駆除する方法として人気を集めているダニ捕りシート(マット)とは、専用のシートの中にダニを誘引し、そこから逃がさずに死滅させるものや、シートの中に留めて、そのままゴミ箱に捨てるタイプなどがあります。
シートの中の粘着でダニを逃がさないものや、シートの中で餌を食べさせているうちに、ダニを乾燥させて死滅させるタイプがあります。※ダニは身体の80%が水分で出来ているため、乾燥させられることに弱く、死滅してしまうのです。だからこそ、ダニは湿気が多い場所を好みます。
使用目的 | ダニを捕まえる |
ダニ捕獲方法 | 誘引剤を使用 |
ダニ捕獲後 | ・乾燥タイプ ・閉じ込めタイプ ・粘着タイプなど |
有効場所 | 屋内 |
捕獲可能なダニ | ・チリダニ ・ツメダニ ・イエダニなど屋内のダニ |
注意点 | マダニなど屋外のダニは使用不可 |
ダニ捕りシート(マット)でダニを退治・駆除するメリットとデメリット
ダニ捕りシート(マット)でダニを退治・駆除するメリット
1.安全性が高い:ダニ捕りシート(マット)には、化学物質を使用せず、粘着剤のみでダニを捕らえるものがあります。 そのため、人やペットへの影響が少なく、安全性が高いとされています。
2.使い方が簡単:ダニ捕りシート(マット)は、設置するだけで簡単に使用できます。また、移動させることもできるため、ダニが発生している場所に合わせて自由に設置できます。
3.ダニの観察にも役立つ:ダニ捕りシート(マット)には、捕獲されたダニの種類や数を確認することができます。 そのため、ダニの発生状況や種類を把握することができ、適切な対策を立てることができます。
ダニ捕りシート(マット)でダニを退治・駆除するデメリット
1.効果が限定的:ダニ捕りシート(マット)は、粘着剤でダニを捕獲するため、ダニが発生している場所に限定されます。また、成虫のダニしか捕獲できないため、卵や幼虫などのダニには効果がありません。
2.交換の頻度が必要:ダニ捕りシート(マット)は、一度使用すると、その粘着力が低下するため、定期的に交換する必要があります。 そのため、長期的に使用する場合、コストがかかる可能性があります。
3.設置場所に制限がある:ダニ捕りシート(マット)は、設置する場所に制限があります。例えば、風通しの良い場所や、直射日光の当たる場所では、接着力が低下するため、効果が遅くなる場合があります。
ダニ捕りシート(マット)を使ったダニ退治・駆除方法は結局どうなの?
上記でお伝えしたダニ捕りシート(マット)は粘着タイプのものなのですが、実はダニ捕りシート(マット)には他にも種類があります。
ダニ捕りシート(マット)の中でおすすめしたいのが、ダニを誘引し、シート(マット)の中で乾燥させて退治・駆除するタイプのダニ捕りシート(マット)です。
ダニを誘引し、乾燥させて退治・駆除するダニ捕りシート(マット)とは
ダニを退治・駆除する方法というのはいくつかありますが、ここ数年で一気に流行ってきているダニの退治・駆除方法が、ダニを誘引し、乾燥させて退治・駆除するダニ捕りシート(マット)の「ダニコロリ」です。
くらしラボのスマイルストアにて販売されているダニ捕りマット(シート)の「ダニコロリ」は、ゴキブリホイホイのように、ダニにとって魅力的な香りなどでダニを誘い込み、ダニコロリの中で餌を食べながら乾燥剤の効果でダニ自身を乾燥させていきます。
ダニ捕りシート | 乾燥タイプ |
ダニ誘引剤 | 豆粕、小麦加工物 |
ダニ乾燥剤 | 植物繊維乾燥剤 |
香料 | 緑豆 |
サイズ (長さx幅x高さ) | 20 x 15 x 5 cm |
有効範囲 | 1枚で5〜8畳 |
捕獲可能なダニ | ・チリダニ ・ツメダニ ・イエダニなど屋内のダニ |
枚数 | 3枚同梱 |
使用上の注意 | ・水に濡れないようにしてください ・ご使用中にお身体に異常が見られた場合はすぐに使用を中止してください ・お子様の手には届かないところに保管してください ・保管する場合は、高温多湿の場所を避けて保管してください ・1ヶ月経過したら家庭用のゴミとして処理してください(各自治体の指定に従ってください) |
販売会社 | 株式会社くらしラボ(Kurashi-Labo inc.) |
ストア名 | スマイルストア |
住所 | 東京都江東区門前仲町1-6-4 |
電話番号 | 0120-044-904 |
公式ページ | https://kurashi-labo.co.jp/ |
ダニの身体は8割が水分で出来ている
何故ダニ自身を乾燥させる事が有効的なのかというと、それはダニの身体の8割が水分で出来ているからなのです。
だからこそダニは湿気を好む傾向にあります。
つまり、ダニを乾燥させればダニは物理的に弱り、力尽きていく・・・というものです。
これがダニを退治・駆除していくダニコロリの効果です。
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効率的なダニ退治・駆除の方法は?
1.換気をしっかり行う:ダニは湿気を好むため、換気をしっかりと行い、部屋の湿気を下げることが大切です。
2.掃除をこまめに行う:ダニはホコリに付着していることが多いため、こまめに掃除を行うことが大切です。
3.エッセンシャルオイルを使う:エッセンシャルオイルにはダニを退治する効果があります。例えば、ティーツリーやユーカリなどのオイルを加湿器に入れて使用することで、ダニの発生を抑えることができます。
4.ハーブを使用する:ダニには、ニームやクローブなどのハーブが効果的です。
5.ダニ捕りシート(マット)を使用する:ダニ捕りシート(マット)は、化学物質を使用せず、安全にダニを捕獲することができます。定期的に交換することで、環境に優しいダニ退治を行うことができます。
これらの方法を組み合わせることで、効率的なダニ退治・駆除を行うことができます。
ただし、一度行うだけでは効果が薄いため、全て定期的に行うことが大切です。
この5つの項目を全て定期的に行うのはかなりの労力が必要だったりするので、効率的にダニ捕りシート(マット)を活用することをおすすめします。
そのために、ダニを乾燥させて退治・駆除するダニコロリがおすすめです。
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ダニを退治・駆除するためにダニについて知っておこう
ダニ類は熱帯から極域まで世界中に分布し、高山から低地・乾燥地から湿地・土壌中・水中・家屋内や貯蔵食品内等の人工的な環境、さらには植物や動物の体組織中まで様々な環境に適応して生息しています。一般に体が微小であることから、様々な微環境に応じてそれぞれ異なる種が棲み分けており、分布が局在している種もあるがコスモポリタン種も多いです。また、一部の水生ダニ類では成体が陸上で生活する等、成長段階により生息環境が変化する種もいます。
食性もそれぞれの種の生息する微環境に適応し、菌食性・腐食性・捕食性・植食性・寄生性等クモ形類としては非常に多様です。注目されることの多い寄生性の種についても、寄生生物として高度に適応しているものから、宿主に対する捕食に近いもの、宿主の体組織を一種の微環境として生息しているものまで段階は様々です。また寄生性のツツガムシ類やタカラダニ類等幼体時と成体とで食性が変化するものもあります。
繁殖は通常、オス個体がメス個体に精包を直接または間接的に渡して受精させる両性生殖ですが、通常時はメスのみで単為生殖を行う種も多いです。産卵は土壌動物のイレコダニ類の様に一回に1個しか産まないものから複数個産むもの、体内で孵化して幼体を産むものまで種により異なります。
幼体は脱皮を繰り返し複数の令期を経て成体となるが、種により特定の段階ないし環境の変化により、付属肢や口器を退化させたシストと呼ばれる繭状の形態になるものがあります。単に蛹状の休眠状態をとるものから寒冷や乾燥等の環境悪化に高度な耐性を持つものまで様々です。
ダニ類は形態が多様であるため、歩脚を発達させて活発に歩行したり、遊泳するものや跳躍能力をもつもの、歩脚を退化させて蠕動を行うものや固着生活を行うもの等様々ですが、いずれの種においても身体が微小であるため、個体としての運動能力は非常に限定的です。しかし生態も多様であることから、哺乳類等の大型動物や飛翔能力のある昆虫に寄生あるいは体表に付着することにより長距離を移動するものなど、種によっては大きな移動能力を獲得しています。特に、ハダニ類等糸を出してバルーニングによる移動を行う種やシスト形態時に風に飛ばされて分散する種などでは非常に広い分布域を持つものがあり、1つの種が汎世界的に分布しているものもあります。
通常ダニ類は医療上、農業上等の有害生物として捉えられることが多いですが、その様な種はダニ類全体としてはごく一部であり、大半は人間の活動に無関係で、ササラダニ類等土壌生活性のダニ類などの分解者や捕食寄生により特定の種に対する天敵として機能しているもの等、生態系を支える重要な役割を担っています。
アダクチリディウムやアカロフェナックス・トリボリイ等、兄妹・姉弟で近親交配を日常的に行う種もいるので、ダニは短期間で増え続けます。
ダニと人間との関わり
ダニ類は種数・個体数ともに膨大であるため、人間の活動に関わりのある種は、ダニ類全体に対してはごく僅かな割合でしかないですが、保健衛生上また農業上有害な生物として、その影響は無視できるものではありません。
ダニという場合、有害な吸血生物のイメージが一般的ですが、外部寄生により吸血を行う代表的なものとしてマダニ類とイエダニ類が挙げられます。これらのダニ類は通常はマダニがシカなどの野生動物を、イエダニが住家性のネズミ類を寄生対象としており、ワクモやツツガムシ等人間以外の生物を宿主としている種でも、状況により人間を吸血し被害を与えるものがいます。現代では日常生活でこれらのダニの寄生を受ける機会はほとんどないが、アウトドアでのレジャー等野外活動時にマダニ類やツツガムシ類の被害を受ける例が増えています。これらの被害を受けると、吸血時のダニの唾液物質によるアレルギー性の咬症の他、マダニ類の口器により傷口が化膿したり、場合によってはリケッチアやウィルス等による重篤な感染症を発症することがあります。
直接吸血はしないが、人体の組織に寄生するダニとして、ヒゼンダニとニキビダニ類が挙げられます。ヒゼンダニは皮下に穿孔して寄生し疥癬という皮膚病を発症させます。ニキビダニ類は主に顔面の毛包に寄生しており、通常無症状であることが多いが体質や状況によりアレルギー性皮膚炎の原因となります。
また人体に寄生はしないが、住家中の埃(ハウスダスト)の中も数種のダニが生息しており、これらは埃中の有機物を食べているので人体への直接の加害はないが、糞や脱皮殻、個体の死骸等が皮膚炎や気管支炎等のアレルギー性疾患を引き起こす元(アレルゲン)になることがあります。さらにこのダニ類を捕食するツメダニ類が繁殖し、偶発的に人体を刺す皮膚炎も発生しています。
人体に被害を与えるもの以外では、台所や食品倉庫でコナダニの仲間が小麦粉や乾物等の貯蔵食品などに繁殖し、食品工場等で大きな損害を与えることがあります。
農業害虫として、植物に寄生するダニのうちでもハダニ類には産業上重要なものが多いです。この仲間は植物の表面にクモのように糸を張り巡らして巣をつくり集団で生活します。植物組織内に口器を挿入し細胞の原形質を吸い取って摂食するのですが、刺咬時に有害な成分を分泌するため葉が変色し、寄生数が多い場合株ごと枯死することもあります。殺ダニ剤等の農薬に抵抗性を持ち、防除が困難なケースも多いです。
ダニ類が人間の活動に有用に関与している例として、間接的には分解者としての土壌動物のダニ類等生態系を支えている重要なメンバーとしての働きなどを挙げることができますが、直接的な利用はあまり多くないです。産業上重要な例として、農業害虫のハダニ類防除に、カブリダニ類等これらの植物寄生性ダニ類の天敵である捕食性のダニ類が生物農薬として用いられています。
また、ヨーロッパではミモレット、エダムチーズ等伝統的なチーズの熟成法としてチーズダニが利用されています。
ダニは定期的に退治・駆除を試みる必要がある
ダニは布団やじゅうたんなどのふわふわした場所や、壁や床の隙間、家具の裏などに生息しています。
ダニは、主に人や動物の皮膚の角質層や、ホコリや汚れなどを食べて生活しています。一般的には人体に対して有害ではありませんが、ダニによって引き起こされるアレルギーや、ダニが媒介する病気もあるため、適切な対策が必要です。
ダニの駆除には、ダニを寄せ付けない環境作りや、ダニを退治するための薬剤の使用などがあります。しかし、ダニは繁殖力が強く、一度駆除しても再び発生することがあるため、定期的な対策が必要です。
定期的にダニが気になる箇所を掃除したりして、ダニ対策をするとなると、それはかなりの労力になります。
ですのでダニコロリを設置し、置くだけで楽にダニ対策をする事がメンタル的にも労力的に楽なのは間違いないです。
ストレスのない良質な生活を送るためにも、ダニコロリでダニ対策をする事は本当に大切です。
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湿気アレルギーのためにカビについても知っておこう
カビは、菌類の一部の姿を指す言葉です。あるいはそれに似た様子に見える、肉眼的に観察される微生物の集落(コロニー)の俗称でもあります。
カビという言葉は、狭い意味で用いれば、子実体を形成しない、糸状菌の姿を持つ、つまり菌糸からなる体を持つ菌類のことです。これに相当するのは、接合菌類、それに子嚢菌と担子菌の分生子世代(不完全菌とも)のものであります。これらはきれいに培養すれば綿毛状の菌糸からなる円形のコロニーを形成し、その表面に多量の胞子を形成します。
サビキンなどの植物寄生菌もこの範疇にはいります。ただし、植物表面に菌糸が出てこない場合、肉眼的にはカビとは認めがたいです。また、子嚢菌などの中でごく小さい子実体を作るものは、カビの名で呼ばれる例があります(ケタマカビ・スイライカビ・ウドンコカビ等)。
しかし、そのような姿を持つ微生物一般のコロニーを見た場合、それを指してカビと言うことも多いです。特に菌類の菌糸体の錯綜したものを指します。従って、日常的にきのこと俗称される大型の子実体をもつ菌類でも、その栄養体である菌糸体だけが視認された場合、カビと認識されます。また、菌糸体を生じない菌類である酵母であっても、密で表面が粉状の集落を形成する場合、これもカビと認識されることがあります。
なお、水中に成育する糸状の菌類的生物もミズカビなどと称されます。最近まで菌類と考えられていたのでカビのような名で呼ばれています。これらの生物は生活の型はカビに似ていますが、現在ではその大部分(卵菌類)は菌類ではないものと考えられています。
また、カビという言葉が小型の菌類の名称として使われたことから、ツボカビやフクロカビなど、菌糸を形成しないものにもその名が使われます。菌類以外にも、変形菌(ホコリカビ)やタマホコリカビなどのように一部の原生生物には、カビという名称が付けられています。このように、カビを生物学的に定義することは難しいですが、ここでは応用微生物学的見地から、菌類のうち、きのこと認識される子実体を形成するものと酵母を除いたものについて、以下に詳述します。
特徴
カビは、菌糸と呼ばれる糸状の細胞からなり、胞子によって増殖します。 生活空間では梅雨、台風の季節など湿気の多い時期・場所に、たとえば食物、衣類、浴槽の壁などの表面に発生します。多くの場合、その発生物の劣化や腐敗を起こし、あるいは独特の臭気を嫌われ、黴臭いなどと言われます。人によっては食中毒やアレルギーの原因となることもあります。カビの除去剤は多く存在しますが、それ自体も刺激臭を放ちやや危険なものが多いです。その一方で、発酵食品や薬品(ペニシリンなど)を作るのに重要な役割を果たすものもあります。
カビの生活史
カビというのは、複数の分類項目にまたがる菌類の俗称であり、様々な生活様式をもったカビが存在していまし。
たとえば、カビとして一般的なクモノスカビ(Rhizopus stolonifer)は、菌類の一つである接合菌門(Zygomycota)に属しています。空中を漂っている胞子が、腐敗した植物など湿った有機物の表面に触れると発芽し、菌糸のネットワークを形成します。また、菌糸の表面から酵素を分泌することで、有機物を分解し、栄養を吸収しています。接合菌門の特徴は、2種類の繁殖様式をもっていることであります。無数の胞子を持ったコブ状の胞子嚢を菌糸の先端に形成し、そこから胞子を放出するという単性生殖と共に、両親となる2つの菌糸が融合し接合胞子を形成するという有性生殖も行います。
生育環境
上記のように人間の生活空間にも様々なところでカビは出現します。放っておけば食品はカビます。その主な原因はアオカビ・コウジカビ・ケカビ・クモノスカビといったものです。ヨーロッパではアカパンカビもここに顔を出します。これらは、人為的な環境に素早く出現する、いわば雑草のようなカビです。壁のしみは往々にしてクラドスポリウムです。
人間の生活との関わりでは作物に寄生する植物病原菌の影響は大きいです。ヒトに寄生するカビは多くなく、ほとんどは偶発的なものですが、白癬菌のようにヒトに病気を起こすものもあります。
しかし実際には自然界の方がはるかに多くのカビが存在します。地表や土壌では多くの不完全菌がキノコの菌糸と共に枯葉の分解を行っており、それはまた腐性食物連鎖の土台を構成します。また生きた植物に寄生して病気を起こすカビも数多いです。野生の植物にも様々な寄生菌が生じています。
動物質の分解は主として細菌の仕事であり、菌類にこれに関与するものは少ないです。まれに大型動物死体の周辺にトムライカビ類などが大量に出現しますが、これは細菌類か線虫類に関係を持つもののようです。昆虫など小型動物には、ハエカビ・クサレケカビなど特に決まった種類のカビが関係を持って出現する例が多々あります。
淡水中では菌類ではないものの、卵菌類がミズカビと呼ばれ、動物質を含む腐りやすい有機物塊によく綿毛状のコロニーを作ります。菌類ではカワリミズカビなどもありますが、ミズカビ類ほどは普通ではありません。水中の落葉落枝には水生不完全菌が繁殖しますが、これも目にはつきにくいです。
海中ではカビはあまり知られていません。材木などから若干の水生不完全菌様のカビが知られています。
食品に利用されるカビ
カビが分泌する酵素による作用は、様々な食品に用いられています。主な作用としては、
・タンパク質をアミノ酸に分解することで、風味を出す。
・デンプンを糖化する。
・脱水する。
が挙げられます。
チーズでは、アオカビを用いた「ロックフォール」、「ゴルゴンゾーラ」などのブルーチーズが有名です。また、「ブリー」や「カマンベール」に利用されるものは一般的に「白カビ」と呼ばれますが、生物学的にはすべてアオカビ属となっています。
日本古来の発酵食品では、日本酒、焼酎、醤油、味噌などがニホンコウジカビを穀物で培養し、繁殖させた麹(こうじ)を用いて醸造を行います。鰹節では脱水目的でカビ付けを行います。 なお、納豆は発酵に納豆菌を用いますが、納豆菌は細菌の一種であり、カビではありません。
生物学・医療分野におけるカビ
利用
最初の抗生物質として知られるペニシリンは、1940年代にアオカビの分泌物より抽出され、梅毒、淋病、破傷風、猩紅熱などの感染症の特効薬として、医療分野に画期的な成果をもたらしました。
アカパンカビ(Neurospora crassa)は、その栄養要求突性然変異株の研究から一遺伝子一酵素説が提唱され、遺伝子の正体の追究に大きな役割を果たしました。その他に時計遺伝子の分子機構を解明するためのモデル生物として知られています。
病原性真菌
健康者に病原性を及ぼさない筈のカビが、免疫力が低下している状態で人体に増殖して発症させる例があり、日和見感染と呼ばれます。アスペルギルス症等の例があります。また、カビやカビの胞子を長期間に渡って吸入すると、アレルギー性の過敏性肺炎を発症することがあります。
カビ毒
一部のカビは人体に対し有毒な毒素を生成します。カビの生産する毒を総称してマイコトキシンと呼びます。
アスペルギルス・フラバスやアスペルギルス・パラジチカスの生産するアフラトキシン。発癌性物質で肝炎などを引き起こします。
フザリウムの一部(いわゆるアカカビ)が生産するニパレノール、フザレノン・Xなどのトリコテセン毒素。嘔吐、下痢、腹痛などを引き起こします。
カビの名称
カビはキノコほど和名が与えられていません。せいぜい代表的なものに対して、属の単位で与えられているだけです。名前そのものも、アオカビやクロカビなど、見かけの色だけでつけたような雑なものが多く、クロカビなどはどれを指すのかすら怪しいところです。例外的にコウジカビは、醗酵産業などで使用されることから、いくつかの区別された名前を持ちますが、標準和名とは認識されていないかもしれません。接合菌類に関しては、第二次世界大戦以前には各属に和名を与えようとしたようですが、その後の分類体系の変化のために無効化している例もあります。それ以降は新たな和名を与えようとした例は少ないです。
水道のカビ臭
水道水への不満としてカビ臭が取り上げられることがありますが、これはカビに起因する臭さではなく、貯水池等に繁茂する藍藻類や放線菌が産出する2-メチルイソボルネオールなどの成分によるものです。
これらカビが引き起こす人体の影響と、それに付随されるダニの発生を阻止するためにも、小まめなカビ対策とダニ対策を行っていきましょう。
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